大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)364 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人山口好一の上告趣意は末尾添附の書面記載のとおりである。

憲法二五条一項は、国家は国民一般に対し概括的に健康で文化的な最低限度の生

活を営ましめる責務を負担し、之れを国政上の任務とすべきであるとの趣旨であつ

て此規定により直接に個々の国民は国家に対して具体的現実的にかゝる権利を有す

るものでないことは当裁判所の判例とするところであつて、(昭和二三年(れ)二

〇五号同年九月二九日大法廷判決参照)被告人について仮に所論の事情があつて最

低限度の生活すら営み得ないため本件犯罪を犯すに至つたとしても其行為が憲法二

五条一項によつて正当化され或は実刑を免れうるものではないから(昭和二四年(

れ)一三三九号同年一〇月二五日第三小法廷判決)論旨の理由のないこと明らかで

ある。なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

よつて同四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年五月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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